「同じ空の下で…」


喉がカラッカラになり、私は生温くなった水を飲んだ。

「この事で彼との関係がギクシャクするならば、私が受け止めますから。艶香さんを丸ごとっ!」

「い…いいえ、大丈夫っ!」

「そんなに即答しなくても…。困った時はいつでも言って下さい。」

「ほ、本当に大丈夫ですって!」

高梨は、クスクスと笑う。

私は落ち着けなくなり、一人で目を泳がせながら、手に掻いた脂汗のようなものをふき取るように、傍のおしぼりをとった。


私は一体、何してるんだ…と自問自答する。

こんな場にのこのこ出向いて、更には相手の眼差しにドキドキまでしてしまって…。

瞬に合わせる顔がないとは、この事だ。

とてつもなく、瞬に申し訳ないと、引け目すら感じる。


「…はぁ。」


うっかり出てしまう溜息。


「この後は、デートですか?」

私は顔を横に振る。

怪訝そうに、高梨は首を横に曲げ、私の顔を覗き込んだ。

「今日は…会わないんだ?」

その問に、どう説明したらいいのか分からずに、私は素直に答えた。

「彼とは…遠距離恋愛中なんです。」

「遠距離?」

「はい。」

「なるほど…。どこに居るの?」

「海外、…シアトルです。」


俯きながら、私は話し続けた。