「同じ空の下で…」


明け方まで飲んでいたら、こんな日は決まって太陽が黄色に見えるだろう。

成人式の夜から明け方まで飲んだ事をふと思い出す。

貫徹で飲んで騒いで歌って…。

気が付いたら朝の8時になっていて、その時の太陽の光で後頭部が痛くなり、太陽が黄色く見えた事がある。


だから…瞬にとって、今日のこの日差しは…きついはずだろう。


西口に着くとプールに行く前に買ったパンをバッグから取り出して、一口かじった。

気が付けば、正午はとっくに過ぎていた。

お腹が空き過ぎ、たった一口のパンですら、ちょっと気持ち悪くなる感覚を覚える。


こんな時間に…『おはよう』だなんて…。


飲み物をを口に含んで少しずつ胃を慣らしながらパンをかじっていると、瞬が目の前に現れた。

「…おいおい、ランチって言ったのにもう食ってるんだ?」

「…瞬とは違って私は今朝早くてね、お腹が空き過ぎで気持ち悪くてですね…」

淡々と無表情で言い訳のような語録を並べていると、瞬がそのパンにかじりついてきた。

「うんまぁ~♪…ランチ、パン買って公園でごろごろしながら食うのも悪くないな♪」

口の横にちょっとだけついたクリームを手で拭いながら、嬉しそうに瞬は笑った。