「同じ空の下で…」


「今朝、何時まで飲んでたの?」

『…うーん、覚えてないけど、店を出たら外が明るかったな。』

「おつかれさん♪」

『艶香も付き合ってくれれば良かったのに。』

「男子部室に飛び込む勇気はさすがに持ち合わせてない。」

『…男子…部室?』

「男同士で盛り上がってる所に邪魔できないって事。」

『・・・・分かりにくい言い回し…。』

「で?ランチするんだよね?」

『…ああ。メールした後、うっかり寝てた。どこ行こう?』

「どこでもいいよ。」

『とりあえず…また西口で待ち合わせでいいかっ?』

「いいよ。じゃ、先に待ってるね?」

『うん。支度出来たら向かう。』

「はーい。」



電話を切ると、そのまましばらくベンチに座り、景色を見ていた。



心地よいけだるさと、適度な春風を体で感じながら、新緑の風の香りを吸い込み、身体全体で春という季節を感じていた。


もう、初夏といっても過言ではない太陽の日差しに眩しさを覚え、ベンチを立つと、自転車にまた跨り、待ち合わせの場所へと向かった。