「同じ空の下で…」



身支度を整え、軽く化粧してプールを後にすると遠回りしながらに公園へ向かった。

土曜の昼の公園は家族連れが多く、いつもに増して賑やかだった。


公園を彩る新緑の木々の碧さと空の青に軽く目を細める。


ポツンと空いてるベンチを見つけ、その前に自転車を止めベンチに座る。

そしてバッグからスマホを取出し、瞬からのメールを確認した。


[Sub:おはよう!]

[text:ランチしましょ♪…気づいたら連絡ちょうだい♪]


メールを確認する前に口に含んだイオン飲料を少しだけ、吹き出してしまった。

慌ててタオルをバッグから出すと、ベンチの上を拭いた。


女友達からの文面のような…瞬からのメールは…吹き出す程、可笑しいけど微笑ましくって、私はすぐさま瞬に電話を掛けた。


4コール目で瞬は眠そうな声で電話に出る。


「お早うございます。英です。」

敢えてよそよそしく話しかけてみる。

『つやか?…おはよぉ。』

「メール、今見たよ。」

『…あ、うん。つか、電話…出なかったから。』

「ごめん。目覚め良くって♪…プールで泳いでた。」

『…健康的だなぁ。』

少しだけ、声が枯れてる瞬。

電話の向こうで、たばこに火をつける音がかすかに聞こえた。