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その一週間後に、タケルが主催となり、イベントの仲間内で瞬の送別会…いや、激励会が行われた。
特別派手な訳でもなく、特別しんみりした訳でもなく…
『ごく普通に、今までと同じように、同じメンバーでの普通の飲み会』
瞬が特別どこかに行くなんて事が無ければ、いつもの飲み会にすぎないかのような…どこにでもある、ありふれた飲み会だった。
いつもと違った部分をしいて言えば…
仲間うちで動画メッセージを秘密で制作して、それをタケルが編集して動画をとあるサイトにアップし、そのURLを飲み会中に瞬に送り…それを見た瞬を驚かせた事ぐらいではないだろうか。
それまで賑やかに飲んで騒いでいたメンバーは、皆、瞬が開いたその動画に釘付けになり、その出来栄えを固唾を飲んで見守った。
時々、誰かが『あんときはどーだ、こんときはどーだ』とか解説を入れたりはするが、すぐに静かになり、瞬のスマホに皆が視線を集中させ、その画面に見入っていた。
それを確認し見終えた瞬は…一瞬、声を詰まらせ、皆から視線を逸らしてはいたけど、スグに取り直し、一つ咳払いをすると、いつもと変わらない笑顔で、
「皆、ありがとう!マジで、これ、嬉しいよ。少しの間皆と同じ時を過ごせなくなるけど……ちょっくら行って、花を咲かせてくるよ!」
と、軽く言った。
