「同じ空の下で…」


一台、また一台、目の前に車が停まる。

それと同時に、待ち合わせている人々も一人ずつ減っていく。


あれから27分が経過した事をスマホをみて確認した時の事。

見覚えのある青い車が目の前に停車して、ハザードランプを点滅させた。

その車が静かに助手席の窓を開けた時、


あんなにも会いたくてたまらなかった瞬が、こちらを見てにっこりと微笑んだ。



その笑顔がとても嬉しくなり、子供が駆け出すように助手席に駆け寄り、ドアを開け、乗り込んだ。

そしてその動作がごく自然の動作…もしくはいつもそうしているかの様な普通の速さで、運転席の瞬に抱きついた。


「…会いたかった。…すんごく…。」


「…窓、開いてるけど、このままでいいの?」


「…閉めてよ、気が利かないなぁ。」


「予告無く俺に抱きついといて…偉そうに言うな。」


少し、馬鹿にした様に笑いながら、助手席の窓を閉めると、やっと瞬も私に両腕を回し、抱きしめてくれた。


「…俺も…会いたかった。」




誰に見られていても構わない。




今こうしていないと、






・・・・私達には・・・・もう、時間が無い。