「同じ空の下で…」


「こちらこそっ!」


インカムを渡され、今日のスケジュールを確認する。


「少し早目に会場入りね。あっちで朝一で打ち合わせしないといけない。同席宜しく!…艶香の支度できたら車出すから。」


「…ああ、分かった!じゃ、急ぐね!」


自分の支度をしながら、瞬の姿を目で追うと瞬は瞬で忙しそうに出演者の準備作業に追われていた。

自分の今日の荷物を小さめなバッグに纏めると、瞬の肩を軽くたたく。


「お先に!現地でね!」


「おおっ!」




タケルの車に乗り込み、私は会場へと向かった。




スタッフジャンパーを着た人たちに混じり、他の団体との打ち合わせに入り、現地に出演する同級生達が着く前に軽いリハーサルをする。

控室の場所、プログラムの確認、音響の確認、照明の確認、舞台チェック、出演時間…その他諸々の事細かい事をタケルと一緒に確認する。

皆の出演時間は午後一番と、イベントのフィナーレ。

打ち合わせが終わると、続々と現地に出演者が集まってくる。







そして・・・・

およそ半年間かけた私たちのイベントは大盛況にて幕を下ろした。




出演前、舞台の袖で緊張気味な強張った顔をした瞬を見つけると、その表情をしばらく見ていた。

その視線に気づいた瞬は、強張った表情を崩し、私に向かって笑いかける。

私も同じように返す。