その行動に、私は瞬の顔を見返す。
「…早く送ってよ?」
目元を緩ませる瞬の顔に、私は少しだけ困った表情になる。
「ダメダメ、そんなプレゼントの渡し方あるかぁ?!」
「…色々考えたけど、結局こんな方法しか見当たらなかったんだ。家についたら開けて?気に入らなかったらそのままリサイクルとか…売っていいからさ」
「…何でそんな言い方する?なんてヤツだ…。」
「…自分なりに頑張って選んだけど、瞬の趣味に合うかなんてわからないじゃない?」
「今、開ける。」
「…ああ!それは止めて!恥ずかしいからっ!」
その言葉も虚しく、瞬はラッピングを丁寧に外しながら、その箱を開けた。
その間をどう取り繕ったらいいのか分からないまま、落ち着きなく目をあちこちに泳がせる。
瞬の手が、私の頭に触れたとほぼ同時に強い力で瞬の胸に抱きとめられる。
「…ありがとう。」
世界中で、今、こうしている人って何人位いるんだろう?
そして、今、私と同じように幸せな気分になってる人って何人位なんだろう?
…なんて、瞬の腕の中で考えながら、自分の頭に響く瞬の声と鼓動を感じながら私は目を閉じる。
「…どういたしまして…。」
「誕生日なんて何ヶ月も先なんだけど?」
「瞬だって、同じように私にリングをくれたじゃない?…それに、瞬からは沢山貰い過ぎてるし…。」
「…それは、艶香に対する自分の想いを形にしたまでの事だし…。」
