「同じ空の下で…」


翌日…────。


少しだけ事務所での仕事が減ったのをいい事に、会社の退勤後、瞬への『かなり早いバースデープレゼント』を探しに、いつもと違う電車に乗り込みショッピングに出かけた。


瞬に似合う物…とか、瞬が喜びそうな物…とかを考えると、とても楽しい気持ちになれた。

ウケ狙いがいいかなぁとか、

実用性のあるものがいいかなぁとか、

そんな他愛もない事を考えてるだけでも、心の中がほんわか温かい気持ちになれてしまう。


何店舗かを巡って時計店にたどりついた時の事。

【日本時間-アメリカ時間】 が、文字盤にある腕時計を見つけると、直感で『これだっ!』と、衝動買いをした。


プレゼント包装をして貰いながら、瞬に会って渡した時の反応を勝手に想像し、その足で事務所へと歩き出した。

どんなシチュエーションで渡そうかなぁと考えてみたりもする。

サプライズ的な事が大好きな瞬をどうやって驚かそうとか、喜ばせようとか…一人であれやこれやと考えては、時々笑いがこみあげてきたりした。


ハタからみたら完全に怪しい人間になっている気がする…。

瞬を思い、顔が緩みっぱなしなのが自分でも分かる。



「おつかれ~。あれ、艶香、なんか、いい事でもあった?」

PC画面から目を私の方にうつすタケルに私は無意味に笑いかける。

「…ううん、別に♪」


PCに電源を入れると、私は何事もないかのように振る舞った。