「ぶっ…誰だ!?フルーツタルト食べたい奴はっ!?」
1時間もしないうちに、勢いよく瞬が現れた。
続いて、遥人、嘉斗、蓮が現れる。
「…お疲れさま!」
久々に揃った面々に、手を休めて皆の顔を見上げた。
「フルーツタルトが食べたいのは貴方ですか?」
すぐに横に瞬が来て、私の顔を覗き込む。
「…あっ!…そうだった…た、タケル、消して消して!!!」
慌てる私を見て、タケルは珍しく意地悪く笑みを浮かべ、
「いやだ。…投稿第1号記念だし。」
と言い放った。
「そんなに皆に伝えたい位食べたいなら、いくらでも食わせてやるのに…♪」
瞬が私の頭をなでなでしながら、ご機嫌な顔をしていた。
「…は…はずかしい…。」
何も考えずに投稿するんじゃなかった…。
「で、艶香はメルマガ登録したの?」
「…あ、まだだった。…やり方教えて?」
「…じゃ、登録してやるよ。」
「うん。お願い。」
そういえば、そう、私は瞬と同じ機種だ。
素直に瞬に自分のスマホを渡すと、メルマガ登録をして貰う。
「おお、大事に使ってくれてるんだ~♪」
スマホの横でプラプラ揺れるスワロフスキーで出来た番犬がキラキラと輝きを放っている。
それを眺める瞬の瞳からも輝きを放って居た。
「…うん♪」
瞬の顔を見上げれば、そりゃもうご機嫌に溢れて終始ニコニコだった。
「捨て犬にならなくて良かったなっ!」
そう言って、番犬にキスをする、瞬。
今日の瞬はとてつもなく異常にご機嫌なのが良く分かる。
