「同じ空の下で…」


それから、暫くイベントの話を交わした。

この水流のせいで、普通の会話が、皆夢を語るかのような会話に思えて来て、瞳がやたらキラキラしていて、輝いて見えた。

そんな光景を楽しみながら話してると、オムライスが運ばれてきて、一斉にそれを口に運ぶと、とてつもなく幸せな気持ちになる。

タケルなんか、さっきから無言でそのオムライスを食べ続けている。

「…懐かしい味がする。」

「ああ、昔、子供の頃よく食べてた味がするんだよなぁ…。」

「そう。家の場合、母がケチャップ味とか好きじゃなかったから滅多に食べる事が無かったけど、なぜか懐かしい味がするんだよね、ここのオムライス。」


「ありがとう。そういうのって、日本の心なのかねぇ…。褒めてもらえて俺もなんだか嬉しい…。またここ、来てやって?」


「うん、もちろん!」


お酒が廻って少しだけ気分が高ぶってきた私は、瞬に満面の笑みで笑いかけた。

その時見せた、少しだけ寂しげな瞬の顔が気にかかった。




「ご馳走様でした。あ~満足満足!」


ビールを3杯平らげ、オムライスも数分で食べきったタケルは少しお酒が廻ってるのか、顔を真っ赤にしていた。

私も、ゆっくりと味を嗜みながら食べていたけど、いつもより食べるペースが進んでいた。

瞬は、とっくに食べ終わり、ゆっくりと一服していた。