「同じ空の下で…」


「…そう思ってるのは艶香だけだったら、どうなんだよ。相手はウエェルカムかもしれないぞ?」


瞬は悪戯な顔して私に言う。


「…ヒロはそんなんじゃないわ。変に言うのやめて。」


からかわれてるのは重々承知してるけど、ヒロの人格を勝手に推測して語る瞬を少しだけ睨みつけた。


「おお、ごめん、言いすぎたか。」


「自分だって友達の事を悪く言われるのは嫌でしょう?」


「はい。すいません、度が過ぎました。ごめんなさい。」


「…ま、艶香がしっかりしてるようだし、大丈夫だと思うけどね。俺の出番はないと思うよ。」


タケルが私たちをなだめる様に柔らかい笑顔で私たちに微笑んだ。


今、タケルの存在が無かったら、もしや険悪なムードになって居たかもしれない。


「ごめんね、お待たせしました。」

瞬のお姉さんが、飲み物を運んでくると、空気が少しだけ変わった。


「お疲れさん、かんぱ~い」


瞬はジンジャエールで、私とタケルはビールで乾杯する。

タケルは半分くらいまで飲み、瞬は軽く口づけ、私はほんのちょっとだけ飲んだ。


「ちゃんと正直に言えば、艶香はさ、誰にでも優しいから心配な訳。艶香がその気なくても、相手が誤解する事ってあると思うんだよね。」


「…わかった。じゃあ、これからはみんなに冷たく当たるわ!」