「同じ空の下で…」

「イケメン専務だぞ、彼は」

「そうなんですか?」

「一回しか見た事ないけどね。まだ独身なはず。つやちゃんと同世代くらいじゃないかな。若いっていう印象がかなり強いなぁ…。」

「へぇ~…本田さんがイケメンて言う位だから、それなりの外見なんですねぇ~…」

男がイケメンって言う位イケメンに、多少の興味が湧く。

それは、ごく一般的なミーハー的な興味に過ぎないが。


「…つやちゃん、そういえば彼氏は?上手く行ってんの?」

「あ、本田さん、それセクハラですよ?」


私はわざと笑ってかわした。


「どうぞ、訴えるなら訴えればいい。」

本田さんも笑ってかわす。
本田さんは、そういう人柄だ。
私達平社員との間に壁を作らない所が、最も好感が持てる。

「篠田亮太とは別れました。受付嬢に乗り換えたみたいです」

「へぇ~…、篠田も随分お盛んだなぁ。つやちゃん、大丈夫そうだからいいけどさ。」

「はい、私はむしろ元気です。」

「それがいい。健康的で何よりだ。男は篠田だけじゃないしな♪」

「はい。今は充電期ですから♪」

…なんて言いながらも、私は既に瞬に恋心を抱いてる…。