「同じ空の下で…」


「…一日で…終わるなら…終わらせる…か…」


呟くように、瞬は言う。


「…なんで?」


「……チンタラやるのは…性に合わない…」


「…なら…従うよ・・・・」



いつの間にか鳴りやんでる電話を気にする事なく、いつまでも同じ体温を感じながら、緩やかに流れるその時間を私は愉しんでいた。

ごく普通に振る舞うかのように私のうなじにキスを落としながら、瞬がまた私を抱きしめ、長い足を私の躰に絡めはじめる。


ほんとに、このままだといつまでたってもキリがない。


「・・・6分…経過したんじゃない?」


「…また、やる気スイッチが入ったから…延長~・・・・」








──────・・・・


「もしもし~?瞬?今、どこ?」

「西口。」

「今日はこっちに顔出せるか?」

「出せるよ。」

「ん。じゃ、宜しく。」

「ほ~い」


煙草を吸いながら、瞬はトランクス一丁でタケルと電話していた。

その光景がとても滑稽だけど、なんだか瞬らしくて似合っていた。

横で、声を出さずにクスクスと笑った。


私は着て来た服で身を纏い、髪の毛を丁寧に乾かし、化粧を少し直した。


「その顔、好き。」

「ん?」

「鏡を見ながら、口を半開きでリップを塗りなおす艶香の横顔。」