───互いの欲求の源を探し当てる様に
手探りでそこに有る温もりに触れ、
温もりを探り当てると互いを認め合い、
本能のままに
欲するままに
快楽を愉しんでいく・・・・────
さっきまで私へ幾つもの快楽を与え続けていた瞬の唇に人差し指で触れると、瞬は気持ちよさそうに日向ぼっこを楽しむ仔猫のような顔で、目を閉じた。
瞬の引き締まった両腕に包み込まれながら、自分の素肌に瞬の体温を感じながら、瞬の唇を何度も指で触れ、
『このまま…時間が止まってくれないかな・・・・』
そんな事を考えていた。
他人にこんな気持ちを抱いた事など、人生で一度もなかった。
むしろ…、早く終わってくれないかな・・・・。
そう思う方が多かったかもしれない。
ふと指を瞬の唇の上で止めてみる…。
すると、私の人差し指をパクっと自分の口の中に入れ、目をうっとりと開け、私を見る…
一瞬だけど、時が止まったような気がして嬉しくなり、私は微笑んでしまう。
すると、その甘美な唇を開け、指を離してくれた。
そして、同じように、微笑みを返す…
互いに無言で、そこにある温もりに溺れるように、腕に力を込める。
私は瞬の胸に顔を寄せると、顔を埋めた。
それに、ごく自然に応えるように、瞬は私を大きく包み込む。
遠くで、着信を知らせる音が聞こえる・・・・。
瞬の胸から顔を上げずに、
「…瞬、タケルが…呼んでるよ?」
と、言ってみる。
