そういって、クルリと寝返りを打って、真正面から私の顔を見つめると、
「こっちに来て」
と、私の手を強く引いた。
素直に私は瞬の横に行く。
そして、さっきの野性に満ちたキスを何度も何度も受け止めた。
かすかに聞こえる音楽────…
互いの唇が一瞬離れると、私と瞬はまた、瞳を絡ませ合う。
瞬の大きな手が、私の頬をまるでガラス玉を扱うかのように優しく包み込む。
「俺…すっぴんの方が好きだな。」
そう言いながら、また唇を重ね、その唇はそのまま首筋へと滑って行く。
「今は・・・・理性は…無いの…??」
首筋に僅かに触れる瞬の前髪がくすぐったい。
それを堪えながら、私は静かに目を閉じる。
「…艶香の部屋に、忘れてきたから・・・・また、取りに行かないと…」
さっきまで優しく私の頬を包み込んでいた手は、やがて、私の背筋をなぞる様にしながら、ファスナーを探り当て、静かに…実に器用に、下ろされていく…。
鎖骨のくぼみにキスを落としながら、
あらわになったその肩に、キスを落としながら…
果物の皮をむくように、
瞬の望み通りの姿になっていく、私…。
