「竜二、やめろよ。二人とも困ってるだろ。」

太一さんは、竜二さんペースを一旦止めてくれた。
そして、竜二さんよりも詳しくサークルの説明をしてくれた。
サークルの活動内容を聞けば聞くほど、どんどん興味がわきはじめた。
それに、竜二さんや太一さんはすごい優しいし、安心してこのサークルに入れそうだなって思った。

「まぁ、うちのサークルはこんな感じかな。何か質問ある?」
「いや、今の説明で十分に分かりましたよ。」
「良かった良かった。竜二のやつだと説明もろくにしてないだろ、あんなだから。」
「悪かったなー、あんなで。あ!!今思い出したけど、もう一人野球やってたやつがいるんだよ。亮ー!!亮くーん!!」

そういって竜二さんは、少し離れたところに座ってる男子生徒を呼んだ。
竜二さんの呼び声が聞こえたらしくこっちを振り向いたが、ものすごく不機嫌そうにこっちを見た。

「・・・なに?」

(不機嫌そうっていうか、怒ってるみたい・・・。)

竜二さんや太一さんみたいに優しい先輩ばかりだと思っていたが、やっぱこんな恐い先輩がいるんだ。
やっぱりもう少し、このサークルに入るのは考えようかな。