正直、すごい困った。
あのキレてる瞬間を見てしまった人だったから、どう話していいのか分からない。

「こんにちわ。二人とも名前なんていうの?」
「幸恵です!サチって呼ばれてます。」
「麻美です。・・・アサちゃんって呼ばれてます。」

内心、私はすごいビクビクしてた。
頭の中には、あの時の亮さんがずっとリプレイされてる・・・。

「俺は、3年の亮です。こいつは2年の一(はじめ)。」
「どーも。ハジって呼ばれてるから♪」

ハジさんは、見た目とは違って陽気な感じな人だった。
亮さんはというと、あの時と同一人物とは思えないぐらい明るい人だった。
サチや私に色々と話をしてくれる。
でも、竜二さんとは違って少し私は話しにくかった。
私の席からは、竜二さんと裕子のいる席が見える。
裕子が、楽しそうに竜二さんと話をしていたのを見て少し胸の奥が痛くなった。

「アサちゃんは、高校のときは何やったの?」

急に亮さんが話をふってきた。

「えっ・・・と、私は写真部でした。」
「へぇー!写真部だったんだ。」

そのとき、初めて亮さんへの恐怖心がなくなった。

(この人、本当は優しい人なのかもしれないなぁ。)

その後からは、亮さんとハジさんとサチの4人で色々と喋った。
竜二さんの事も少し知った。
私は、少しだけ嬉しかった。