この戦争は圧倒的に俺に不利だ

そもそも何でこんな女が、俺に迫ってくるのかが理解できない…

彼女は毎日窓辺に座り、近くの桜の木を眺めていた。

「先生…もうすぐ春が終わるねぇ…」

まるで有名な絵画の様に見える…

怖い……これって現実?

「春が終われば楽しい夏だろ?」

「…うん…」

小田切はたまに寂しい顔をしている時がある…

多分、無意識なんだろう…

俺は本当の彼女をよく知らない。でもわかる…

本当は何かで悩んでいるか、深い悲しみを持っている

ということを…

そんな顔をしてる時は、余計に現実離れした気がしてならなかった。


いきなり突風が吹いて、彼女の髪を揺らした後、花びらを乗せて風が舞った。

彼女は部屋中に舞う花びらを嬉しそうに目で追う…

「げー!何だよ、この花!掃除面倒クセー!」

俺が怪訝な顔をした瞬間、小田切はパッと笑顔から真顔に変えてしまった。

「大人ってつまんない!期間限定だからいいじゃない、こんなに綺麗なんだから!
先生って、変にモラルはあるくせに、ロマンはないのね!」

プクっと膨れて、そっぽを向いて座ってしまった…