「膝は自分でできますから!」 「この手でできるってか?あ?」 べちん、と容赦なく手のひらを叩かれた。 「いった!」 「だろうが。アホは大人しく治療されろ」 滝先輩がにやり、と小馬鹿にしたように笑う。 私が何か言う前に、膝にタオルが宛てがわれた。 無言が続く。 恥ずかしさと嬉しさ、少しの申し訳なさが胸を支配している。