心の底から紫音の無防備さを心配して言ったのに
何が可笑しかったのか涙を流す程に大笑いされてしまった。
「く、ははっ、いや…私なんか喰われる訳ないだろ…ふふっ」
「いや、お前なぁ…」
「それに、私には凛人がいるからな。対策は万全だ!」
――― 俺だって男だっての。―――
こんなんで本当にナンパとかされたら大丈夫なんだろうか?
普段しっかり者のくせに変な天然が入ってる。
こっちがヒヤヒヤさせられるくらいだ。
「お前だって女の子なんだから」
「ははっ、あんまり可愛くないけどな」
――― いや、お前は充分…。―――
口を開こうとしたところで終業のチャイムが鳴った。
いつの間にかかなり時間が経ってたみたいだ。
そのうち皆も戻って来るだろう。
「終わったな、授業」
「そうだな。私も着替えてくるよ」
そう言って席を立った紫音を手を振って見送った。
