「母国では売春婦、そして日本では遊女を惨殺か…お前、売女に何か恨みでもあるのか?」

「……」

日本語が理解できているのかいないのか、そもそもこの男は藤田の見立て通りの切り裂きジャックなのか。

男は何も言わない。

言わないまま。

「!!」

身も凍るような戦慄の微笑と共に、鋭敏な動きで藤田との間合いを詰めてくる!

身につけていたコート、ハンドポケットにしていた右手を素早く出し、横薙ぎに一閃!

それだけで藤田の警官制服の胸元が切れ、鮮血が滲んだ。