「失礼しまぁす」
佳奈は、そう言うと保健室の扉を開けた。
「おー!柚希と佳奈!!」
保健室のソファーには、真由さんが
座っていた。
日向は、ちっちゃい椅子に座っていた。
「どう?真由さん。
日向くんに手当てしてもらいました?」
と佳奈が言った。
「うん。大丈夫だよ。ありがとう」
と、真由さんは、微笑んだ。
「一応、消毒して、絆創膏貼っといた。
おっきいやつ」
「月島くん、ありがとう」
「全然、別にいーよ」
二人が仲良く会話してると、
もやもやしてくる。
「あ、あの!」
あたしは、なんとなくその場に邪魔した。
「真由さん、ほんとに大丈夫ですか?!」
「柚希ちゃん?
だ…大丈夫だけど…」
「な…なら良かった!」
まるで演技でも、しているかのような大声。
ふたりの会話邪魔しちゃいけないでしょー!!
何やってんのー!?
「柚希。障害物競走どうだったんや?」
日向が聞いてきた。
「あ。えっと、3位だった」
「頑張ったじゃねーか!」
とニコニコ笑いながら、あたしの頭を撫でてきた。
ドキッ──………………。
日向……………。
「ま☆転けなくて良かったじゃねーか!。柚希だったら玉木みたいになんねーもんなー。
自分で転げる!」
カチ-ン。
「何よー!転げないって!!
日向は、あたしの保護者かっ!」
日向は、爆笑している。

