けどそうでいることしか、 私の今までの罪は消えないと思う。 私は再び、手元のグラスを静かに見つめる。 そんな自分を、陸人さんは切なげに見つめていた。 だがやがて、ふっと穏やかな笑みをこぼす。 「睦月様の存在は、 九条にとって、とても大きなものだと思いますよ。」 「え…」 私は大きく目を見開く。 グラスの液体が、波をうったように大きく揺れた。