また、こうして先輩と会えるとは…思ってもいなかった。 その先輩が静かに口を開く。 「表の世界では、お前は死んだことになってる。」 表の、世界…? 「今日からここが、お前の家でもあり刑務所みたいなもんだ。」 「…っ」 なんで… 「なんで、私を殺さないの?」 今まで、たくさんの人を殺してきた殺人鬼なのに。 「お前は殺さない。」 「どうして…」 「お前が今まで殺してきたのは、ほぼ全員裏社会の人間だったからな。」 「え…」 嘘… 「いつかは、オレらに捕まって処刑される人間だったってことだ。」