「さて…」 警官の後ろ姿を見送り、ふと真顔になった高坂がこちらを振り返る。 「九条」 そして私の前へと屈んでいる九条先輩の肩に手を置いた。 「約束通り、その女の後始末はお前に任せるぞ。」 「…ああ。」 男の言葉に、先輩は私の目を見ながら頷く。 私もその目を静かに見返していた。 「そんじゃ九条、オレ高坂先輩と玄関で待ってるから。」 最後に翼先輩はそう言い残し、2人もその場から去っていく。