痛みに顔を歪めながら見上げると、 苦々しくこちらを見下ろす九条先輩と瞳がぶつかる。 「…煙幕なんて聞いてねえんだけど。」 「…。」 事前に教えるバカもいないでしょうに。 ふと先輩が私の前へとしゃがみ込む。 そして、 -ガッ 「…っ!!」 次の瞬間、先輩の手が仮面を剥ぎ取った。 大部分が闇で覆われていた視界が、途端にクリアになる。 同時に笑みを浮かべながらこちらを見ている先輩の顔も…。