「…はい。」 『睦月』 聞き慣れた声。 けど朝は初めて。 「何でしょう。」 『…フッ』 なぜか笑われた。 『声が強張ってるな。…安心しろ、仕事依頼じゃない。』 「…。」 やっぱり、この人は油断ならない。 こうして人の微かな動揺でさえ、汲み取ってしまうのだから。 「では…一体なぜ電話を?」 『ああ…少し妙な情報が入った。 一応お前に知らせておく』