「あ、こらバカ!逃げんなっ」





背後で九条先輩のそんな声が聞こえたけど、


はっきり言ってここで逃げないバカはいない。






私は撃たれた足を引きずりながら走り出した。





























「ゴホッ、ゴホッ…くそっ」



-バンッ!!





視界が危うい中、数秒後九条が部屋の窓を開ける。



すると黒い煙は外へと這い出ていき、やがて室内はクリアになり始めた。





だが…やはり闇少女の姿はない。




いるのはオレとカツラを手にした翼だけ。






「くそっ、逃げられた!!」