花火~散る記憶~






ちょっと待った。一息ついて、落ち着こう。



「繭…今なに……言った?」






「ん!?あ、いや!!忘れて!」








つい…心の声が口に出てしまった。
密室空間。どこにも逃げられない。

まだ…上の方。
ゴンドラ回るの遅すぎ



いつも観覧車を乗ると、回るの遅いって思うのに、今日はゆっくりに思える。






「忘れられない。無理だ。だって俺繭が好きなんだって」



「そんなこと言わないでよ…!私だって我慢してるのに…。真梨香は安堂くんのことが好きで、私はあっくんと付き合ってて…」





許されないこと。
交わらないの。

私達は一生交わらないの。



ごめんね、安堂くん






「それってさ…繭も俺のこと好きってこと?」



私は静かに頷いた。
もう後に引けない。どうしよう…




「マジか…っ嬉しい!
じゃあ付き合うってゆーのじゃなくて両想いってのはどう?お互い色々事情あるしな…」





そう言って また私を抱き締めた。
さっきよりも力強く……


そして軽くほっぺにキスしてきた。



「えぇ!」


「口にはしないから…いい?」







いい?とか、断れる訳ないじゃない。

本当…好きすぎて私だめだ