花火~散る記憶~




―――――夢であってほしい。





こんなに願ったのって、初めてかもしれない。



「ま…繭と、篤人…?」





「安堂くん…」







動けない。これ以上喋れない。
喋ってしまったら、すべての涙が出そうで怖かった。


「繭ーっ 篤人と仲良くデート?…私達も♪」









動ける






――――――――私何逃げてるんだろう


どこ向かって走っているんだろう








後ろからは、安堂くんが私を呼んでいる





他の人の声なんて、全く聞こえない






息をするのが苦しい

足がフラフラして、速く走れない





もっと…

もっと速く



速く速く速く速く速く…