花火~散る記憶~



――――…





ガタンッ


ジュースのペットボトルが勢いよく落ちた。
お金は、すべて安堂くんが出してくれた。


「花火…」




「えっ?」




「見たいなー」





急になに言い出すかと思えば、花火かよ!
ってか花火って夏じゃない?今秋だよね?


「あ、安堂くんってさ
昨日の夜の事、覚えてる?わ、私に…」





「キスしたこと?」





嘘。
覚えてるの?


酔っぱらっていたんじゃないの?



「待って!酔っぱらってたよね?」

「あぁー。なんかうる覚えだけど、覚えてる。あれごめんな!」






なんだ
うる覚えか…。

なんだろう。なんだか悲しい。
なんで涙が流れるの?


意味分かんないよ―――――。





「え!?おい、繭大丈夫か?」

「ごめん。何でもないの。…ほら行こ!」





私の心は、どこかで迷子になっている。
それは小さな石につまずいたような。

そして、何でかな



安堂くんといると、胸がキリキリして 何でか懐かしい感じがするの。






変だよね。