白く、濁ったような灰色の空。

ゆっくりと柔らかく降ってくる白い雪。

周りは真っ白な雪で街中がコーディネートされていた。


そんな中で私、一人。

長い橋の上のベンチに腰掛けていた。

この日はたくさんの雪が降り積もっていた。

そのせいか、橋の上から見ていても、

外に出歩いている人は少ない。

どうして? どうして?

何故か、私、一人、この街に置いてけぼりに

されているようで、落ち着かない。


そうやって、橋の上で、孤独に寒さと戦ってい

ると、一人の男性がそっと自分のマフラーを私

の首に巻いてくれた。


「私は、置いてけぼりじゃない!」と、

実感した。

そして、彼は私に優しく微笑みかけてくれた。


私も、不器用だけど、不器用なりに笑顔を返し

た。