*

 「さぁてと帰りますか」



音楽プレイヤーをズボンのポケットにしまい、

俺は、屋上のトビラを開け、階段をおりていった。


暗い校舎。

もう6時をまわっていた。

自分の教室の前を通り、玄関に向おうとしていた。



 「頑張るねぇ・・・」



自分の教室の前を通った時に見えた、

机に伏せている女の子の姿。


隣にはホチキスでとめられた、沢山の資料と、

途中のモノがおいてあった。


もしかしてこの子・・・?

俊と隼人が言ってた同じクラス委員の女の子。



 「んーっ・・・」



寝ていた女の子が俺の方を向いた。



 「以外に・・・・可愛い」



そんなことを言いながら、自分の席に座り、

ホチキスでまだ途中の資料を完成させていく。



 「だるっ・・・」



完成させた資料を、綺麗にそろえて、教卓に置いた。



 「おつかれ」



俺は、着ていたブレザーを彼女の肩にかけた。

ガラでもねぇ・・・。


俺は彼女を起こさないように教室をでた。



 「遅い」

 「なんでこんな遅ぇの?」



玄関に二つの影。



 「俺、約束してないよね?」



暗くてお顔は見えないが、

声でわかる。隼人と俊だ。



 「約束してなくてもいいじゃん」

 「さっ帰ろ帰ろ!」

 「はぁー・・・はいはい」



 「あーお腹すいた・・・日向、奢って」

 「何で俺・・・」

 「偉大な隼人さまを待たせた罰」

 「お前らが勝手に待ってたんだろ

  俺には関係ねぇ・・・」

 「日向、俺にもなんか奢ってよ♪」

 「俊まで・・・わかったよじゃあ、どっかで食ってくか」

 「「さんせーい」」