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 「日和のバカアホバーカ」

 「リツ・・・そこまで言わなくても・・・」



中庭のベンチに座り、

リツとお弁当を食べていた。


他愛のない話をしていたのに、

話は今日のクラス委員決めの話題に・・・




 「もう日和はお人よしすぎっ」

 「だって・・・じゃあリツがなれば?」

 「え、い、いや・・・もう決まった事だし」

 「じゃあもういいでしょ」




デザートの苺をかじる。


うーん甘くておいしい♪



 「でも日和大丈夫?」

 「なにが?」

 「男子のクラス委員、一条くんじゃん」

 「うん、そうだけど・・」

 「一条くん、あんまりいい噂聞かないよ?」



心配そうな顔をしながら

タコさんウィンナーをほおばるリツ。


あ、私あんまり一条くんのこと知らないからなぁ



 「一条くんってどんな子?」

 「うーん・・・噂によると

  女遊びが激しくて

  喧嘩なんて日常茶飯事・・・」

 「ふーん」

 「だから今からでも間に合うって

  先生にやっぱりクラス委員辞めます

  って言ってきなよ」



私の肩をつかみ、必死のリツ。


でも・・・



 「決まっちゃったことだし」

 「けどさ・・・」

 「それに一条くん、あんまり

  授業でないから関わらないと思うし」

 「・・・・だね」



こんなことを言ってるけど、

本当は一条くんに会ってみたいなんて

思ってたりもする。


確かに一条くんは怖いイメージしか

なくて、悪い噂流されてるけど・・・

悪い人かは自分で

ガッツリ関わってから決める。


よしっ今から一条くんに

会いに行きますか・・!!



 
 「リツ、ちょっとトイレ行ってくる」

 「うん、わかった」




私はリツと食べかけのお弁当をおいて、

校舎の中へ入っていった。


あ・・・そういえば一条くんてどこにいるの?

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