舞う蝶と聖なる龍2

「どこも怪我…してない…っ?」


「えっ?」


抱きしめる力を強めた春樹は、弱々しい声で言った。


あの…可愛くて優しくて、強い心を持つ春樹が…。


「大丈夫!?」


「…うん。大丈夫だよ。私は舞蝶だもん。怪我するような真似はしないよ」


私は例え怪我をしても、春樹の元に戻ってくる。


お母さんの事で、冷え切った私の心を溶かしてくれたのは春樹だった。


私と違って、可愛く純粋な春樹に私は…。


いつの間にか惹かれていた…。