舞う蝶と聖なる龍2

「あ、あれは…その…」


焦ってるし!


そんなに、焦らなくてもいいのにね〜。


「3年前の私は男装なんてしなかったしね」


まっ、してたらビックリだけど。


3年前の私は幸せだったしね。


親父もいて、お母さんもいて…八尋もいて…。


それに、組のみんなもいた。


幸せの分、不幸がある。


幸せの後の不幸は本当に辛い。


それを私は、身を持って知ったんだ。


その辛さに耐えられず、私は逃げたんだ。