舞う蝶と聖なる龍2

「香を…?」


「正直に言って」


私の真剣さが伝わったのだろう。


新が小さな声で話し始めた。


「…香は初恋の相手だ。だけどっ…あいつはスパイなんだ!」


新の気持ち、すごく伝わった。


香が好きだけど、みんなに迷惑がかかると思って、香はスパイだって心に言いきかせてるって感じ。


でもね、それは間違ってる。


香はスパイとして潜りこむために、あの夜あそこにいたんじゃない。


偶然なのよ。


「新、スパイなんて関係ない。新がどう思ってるか…だよ?」