電話をかけると、ワンコールで親父は出た。


『おっ、どーした?』


「終わった」


このー言で分かるでしょ。


『分かった。警察に連絡しとく』


「お願い」


そう言い、電話を切った。


これで大丈夫。


「…ヒヤ、帰るぞ」


「ああ」


……ん?


何か今…見られてた?


「どうした?」


「ううん。何でもない」


八尋は気づいてない?


気のせい…か。


この時の私は気づいてなかった。


物陰に潜む人影を…。