「で、家出の原因のこいつに謝らせようと思って」


そういうわりに、反省のいろがないのは私の気のせいかな?


「裕司さん、千尋きました?」


「…いや、来てないぞ」


だから!何だよ、その間は!


絶対に面白がってやがる。


「“ヒロ”、後はこいつらだけだし、もう上がってもいいぞ」


気を使わせちゃったかな?


「じゃぁ、お言葉に甘えて。ゆっくりしていって下さいね?」


バレて…ない!


バレない内に早く去ろう!


私は急いで部屋に向かった。


この時の私はバレてないという嬉しさで忘れてたんだ…。


私の事を誰よりも理解している“あの人”の事を…。