ボタボタと、雨が降る中、私は駅前に急いだ。
傘をさしてるけも、やっぱり洋服はビショビショ。
でも、そんなことより…。

あ、あった!
駅を見つけた。でも、周りには誰もいなかった。
あぁ、そうか。何で私は、こんなに必死になったんだろう。
帰ろう、とした時。

「大翔?」

大翔…成田大翔⁉
私は振り返った。そこには……成田大翔がいた。
そして、女の子は帰ってしまった。
どうしよう、と考えてた時

バチっ、

と、目があってしまった。
そらそうとするが、成田大翔はそらさない。
しかたなく、ずぶ濡れの成田大翔に駆け寄る。

「…てめ、おせーじゃねーか!」

と、思いっきりにらまれた。
「こ、ごめんなさい! …でも、その…私…」
言葉を探していると、ふわりと、冷たい何かに抱き寄せられた。

「……無事で良かった…」

優しい言葉にちょっとキュンとした。
いつもは怖いのに、こういうときは優しいんだ…。