翌日、私は教室に行けないことに気がついた。
それは…

「大翔ぉー♥」
「大翔くん、カッコいい♥」
学園一と言われるほどのイケメン、成田大翔。
最悪なことに、私とソイツは苗字が同じ。
しかも、今気づいたけど、席は隣同士。
はぁ…。ため息しかでないよー。

私は、勇気を持って、そこの集団を通り抜けようとした。
「あの…通してください」
と言いながら、女子をかき分ける。
「ちょっと、何よー」
と、ドンと押され、私の体は不安定になった。
宙をぐるぐると、体は動く。
やばい、倒れる! そう思ったときだった。
ガシッと、私の体を何かが支えた。

「大丈夫か⁉」

それは、成田大翔の声だった。
な、何で……。 ていうか、離してくれないと困るんだけと。
だって、
「いやー‼ 大翔くぅーん!」
あなたのファンの皆様がお怒りの様子で…。

「……おい、お前ら聞け! こいつ、俺の女だから、二度と近づくな」

……はい?
いやいや、あなたは突然何を言い出すの。
私、まったく関係ないし。
と考えていたら、成田大翔はそっと耳打ちをした。

「お前、一ヶ月俺の仮の女になれ」

はあ? 意味不明だし。
「な、何でですか…?」
「お前、気に入った」
…は? ますますわけがわからなくなったんだけど…。

「明日の13時、駅前に来い」