涙を流したいけど、連都くんがいるから、私は我慢をした。
ダメだよ、私…。決めたじゃない。
強くなるって。……祐樹の優しさに、甘えないって。

…そう、決めたのに…。
私の涙は止まらない。どんどん瞼から溢れ出てくる。
私はいても立ってもいられず、連都くんの腕からすり抜け、急いで家に帰った。

「あら、成美遅かったじゃない」
私が家についたのは、どうやら20時だったようで…。
当然、お父さんには十分怒られた。

連都くんは、…初めて見た時、顔は整っているけど、何だかこわそうな印象を受けた。
でも、今はちょっと強引すぎる。
まさか、抱きしめてくるとは思わなかったよ。
だって、修学旅行では、胡桃ちゃんと雰囲気が良さそうだったから、てっきり、胡桃ちゃんが好きなのかと思ってた。

連都くん…私ね、まだふっきれない。
まだ、…大翔が好きなんだ。
多分…私は一生忘れないと思う。
だって…大翔は私の初恋だから。

…大好きだから。