ドキドキ…。
大翔に触れられた手が暑い。
ドキドキしてる。
好き、と自覚してから、私はドキドキしっぱなしだ。

「成美、ついたよ」

背の高い大翔を見上げた。
あーあ。もうお別れかぁ。

ていうか私あれだけ嫌いって言ってたのに、今はこんなに好きなんだもんなー。
大翔、大好き。
「送ってくれてありがとう。…また明日ね」
私は、真っ直ぐに大翔を見た。
そしたら大翔は、笑って見せた。

「また明日」

この笑顔が、好き。
仮の関係だけど、私は好き。
大翔は、別に私のこと好きじゃなくてもいい。
私が大好きだから、それでもいい。

「…成美?」

ちょうど、祐樹が買い物から帰って来たみたいだった。
「祐樹」
祐樹は、真っ直ぐに私の所にやって来た。
そして、なぜか2人はお互いに睨み合ってる。
え、ちょ…何してんの2人‼
ここ、うちの前だし。