「あたしね、まだ恋もしたことないのよ?」

ひとつしかないベッドに2人で入っている。



あたし達は夫婦。
だけどそこに愛情はない。


この結婚は「アキくん」が言うには、「利害関係が一致している」らしい。



なんとなく寝付けなくて「アキくん」に話しかける。



「早く寝なよ、明日学校でしょ?」



どうやら、あたしと会話する気はないらしい。

「アキくん」はあたしに背を向けてる。



大きな背中だなあ・・・

そんなことを考えながら、だんだん重くなる瞼を閉じた。