「それにしても、部活終わるのってずいぶん遅いのね」


ふと時計を見るともうすぐ夜の9時になろうとしていた。



「あー・・・終わってからちょっと・・・っていうか、もしかして待ってた?」


なんとなく口を濁してからアキも時計を確認した。



「ま・・・待ってない!ちょっと遅い時間にご飯食べたい気分だっただけ!」


待ってた、なんて言ったらうっとうしがられそうだったから慌てて誤魔化した。



「・・・ふーん。・・・食べてもいい?」

「もちろん!一緒に食べましょう」



あたし達はテーブルに向かい合って座る。



「あのさ・・・」
「なに?もしかして、口に合わなかった?」




「美味いよ。ハンバーグ」



アキはそれだけ言ってもくもくとあたしの作ったご飯を食べる。




「明日からも、アキのご飯を作るのはあたしの役目でいい?」



カラになったお皿を見ながら言った。




「・・・うん」



明日は何を作ろうか、そう考えるだけでワクワクしてきた。



奥さんとして、役目ができた。



すごく嬉しかった。