「ほんとに夜まで道に迷う人、はじめて見たよ」

「アキくん」はそっとあたしに近付く。



「迷ったわけじゃないわよ!別にちょっと寄り道してただけで・・・」
「あー、ハイハイ」



優しい手があたしの頭を撫でる。



「お・・・お腹空いた!」
「ハイハイ。帰ろ」



出会った日と同じように差し出された手をそっと握り返す。

そして家までの道を手を繋いで歩いた。