皆はアキハバラっていう街について、
どんなイメージをお持ちでしょうか?
オタクのイメージしかないと思う。
それはほぼ間違えてない。
なんでほぼなのかは、これからのお話で
分かるコト…




姫宮凛子、14歳、東京都のそこそこ都会の方在住。
ユウウツ、それだけが私の中を埋め尽くしていた。
理由は…転校。
それだけでもユウウツ要素が満載なのに
もういっこユウウツ要素が加わってた。
転校先は、未開の地。アキハバラ。
未開の地、と言っても、そんなに遠いところじゃない。
23区内だし。東京、神田、秋葉原だし。
でも、ほら、異質なイメージがあるの。
キモオタ…?っていうのかな?
確かにメイドさんの格好した女の子とか
カワイイとは思うけれど、
でもなんか近寄りがたいってか、
独特な街だとおもう。
はぁ…、取り敢えず今日は終了式。
来年の四月から向こうの学校に通うコトになる。
皆と会えるのは最後の日…
実感無いなあ、なんて思いながら校長の話を聞いていた。


「ううう…さみしいよお!!」
小柄で可愛くて、モテモテな親友、
莉子がウルウル上目遣いで見上げてくる。
「今まで楽しかったよ、ありがと。」
そう言ってなでてくれるのはモデル体系で美人、女子の憧れの的な千彩。
「さみしいけど…仕方ないよね、ありがとう、忘れないよ。またメールとかするからー!」そう言って笑顔で別れようと駆け出した。
ふたりは手を振ってくれた。
皆からもらった寄せ書きの色紙が、自分のカバンからチラッと見えた。
帰り道はぐしゃぐしゃな泣き顔をだれにも見られないように、ダッシュで帰った。