純恋愛





「ほらー、席に着けー」





担任かつ数学教師であるタロー君が教室に入ってきた。









次、数学だったんだ……。






サボれば良かった…‼‼












「お、今日は珍しく佐野がいるじゃねえか」







授業が始まって一言目がこれ。




うん、なんか嫌な予感するのは気のせい⁇




あのタロー君の黒い笑みは気のせいだよね⁇












「よっし、今日は佐野にいっぱい解いてもらおう‼」





「えぇ⁈⁈」










予感的中ー‼










「ちょっ…待って下さいよ‼無理だって、無理‼」



「無理だ⁇いっつも俺の授業サボっときながら何言ってんだ。出来るだろ⁇出来るからサボってたんだろ⁇」








うわー…

やだこの教師。








「先生、髪切りました⁇」



「お⁇お…おぅ」



「いやー、イケメンがさらにイケメンになって…。こんなイケメンだったら絶対モテますよねー」




「いや、そんな事はないぞ⁇」




「いやいや、そんな謙遜しなくてもいいんですよ。あ、もしかして本当にモテないなんてあり得ないですよね。こんなにイケメンでモテなかったら性格が…ってことですもんねぇ」





「おい、俺はモテるぞ。優しいからな」






ちょっと焦ったような、なんとも言えない様子で返ってきた返事に、ニヤッと笑った。








「やっぱり‼そんな優しい先生が、弱い者イジメなんてしないですよねぇー」




「あたりまえだ」




「わからないって言ってる子に当てるなんてイケメンで優しくてモテモテな先生はしないですよねー⁇これでまた先生の印象がUPですね‼」




「………46ページ開けろー」










よっしゃ‼


勝った‼






チョロいな、あの教師。