ちなみに、私も山田の授業だけは教室に居てる。
マジメに話は聞いていないけれど。
「ゴメン、綺羅ちゃん。行かなきゃ」
「うん、頑張ってね。山田の授業」
「寝ない様に頑張る…」
寝ない様にって…
「あ、メールでもしとく⁇」
「え‼いいの⁈」
「いいよ、どうせ私も暇だし」
「やった‼じゃあ…メアド教えて‼」
あ、そういや良く話すのに交換してなかったな…。
ポケットをあさって、ケータイを出そうとする。
が。
「…ケータイ、教室だ」
「えぇ‼」
「仕方ない。ケータイ貸して⁇」
「あ、うん」
私が出した右手に、黒のスマホが乗せられた。

